pH7を中性として7より小さい場合は酸性、7より大きい場合はアルカリ性と中学で習ったと思います。
巷ではアルカリ性の水が「胃腸の働きを助ける」「下痢や胃もたれを解消する」といった効能と共に『アルカリイオン水』として販売されています。
ところが、このたび複数の専門家が「アルカリイオン水のメリットを示す科学的証拠は存在しない」という判断を下しました。
「アルカリイオン水を選ぶことを支持する証拠は存在しない」
ハーバード大学医学大学院の健康情報サービス「Harvard Health Publishing」主任医学編集者 ハワード・E・ルワイン
「アルカリイオン水と普通の水には、有意な差はない」
ノースウェスト大学・栄養学教授 サロメ・クルーガー
ほか多くの学者が、水道水やボトル入り飲料水とアルカリイオン水の間に健康上の差はないと断言しています。
そもそも人間の胃酸はpH1.5~3.5の強い酸性であり、アルカリイオン水は胃に到達した時点で中和されるため、「アルカリイオン水を飲むことで体がアルカリ化する」という現象は起こらないようです。
現在のところ「アルカリイオン水よりも、収入や栄養状態など生活習慣要因の方が慢性疾患に対してより大きな影響を与える」と結論づけられています。
逆にナトリウム過多になる可能性と、そのリスクについても考慮すべきだとも指摘されており、過剰な健康行動はかえって害になる危険もあるようです。
つまり、余計なことに投資して害した健康を取り戻すために病院に行くくらいなら、通勤通学に徒歩や自転車を取り入れたり、デジタルデトックスする、飲みに行くのを我慢する(これはムリですねー)など、お金をかけなくてもいくらでも方法はあり、不安商法をベースにしたコマーシャルそのものから距離を取る必要があるのでしょう。
自分はテレビを持ってないし何年も見てませんが、必要に感じたことは一度もありません。
クロスオーナーシップ制さえ取られていない日本のメディアに、公平な放送を期待するのは難しいのかもしれません。