かつてプリンターにおけるメーカー戦略は「本体価格を抑えるかわりにランニングコストを上げる」つまり消耗品であるインクの回転率を上げることで利益を出す、いわゆるインク商法がメインでした。
アメリカではカミソリメーカーが持ち手部分を安く売り、替刃を高く売るスタイルから「カミソリ刃(razor blade)モデル」と呼ばれています。
電動歯ブラシやコーヒーメーカーなどにも見られる、本体購入価格のあとから消耗品コストが半永久的に出現するスタイルを「二部価格制(two-part pricing)」といいます。
ビジネスモデルとしては理解できます。
とはいえ、エンドユーザー向けプリンターは純正インクの価格が高く、残量検知もシビアなので必然的にコストがかさみます。
日常用途で印刷する量などたかが知れてるワケで、もし大ロットの印刷物が必要な場合は業者に出稿したほうが安くてキレイですよね。
しかもインクが切れるのって、数枚だけプリントして今まさに出かけるってときだったりしませんか。
ケーブル引っこ抜いて窓からプリンターを投げ捨てたくなりますネ。
そんな秘めたアナーキズムに満ちたアナタの救世主たる存在が詰替えインク。
キャノンやエプソンなら100均にもあるくらい安価なので、手軽に仕えて便利・・・・・・
と思いきや
インクの詰替えには、ある程度の手先の器用さという高めのハードルがあることがわかりました。
先日シアン(青色)が切れたので試しに詰替えてみましたが、辺り一面にインクが散らばり、かなり念入りに拭き取ったにもかかわらずいまだシミが残っています。
ちなみにインクは雀の涙ほども補充できませんでした。
これらの結果から分かったことは
- 机と床と指が青くなる
- 時間とお金と自身を失う
- 分不相応なことはやれそうに思えてもやっぱりできない
ということデス(みわの場合)。
そこで代替案としてコスパ、効率などの面から最右翼とされるのが「互換インク」。
ボクの使ってるプリンター(キャノン MG6930)に対応したものは5本セット(CMYK+デカK)が500円ちょい。
出典:amazon
純正品だとこの値段
出典:amazon
ゼンゼン違う・・・。
セットの仕方も純正と同じくプラスチックカバーを外しトレーに嵌めるだけ。
詰替えみたいに手も汚れないし。
メーカーからの声明としては「純正品以外は目詰まりの原因となるから使うなー」とのことですが、インク詰まりはヘッドごとぬるま湯に浸しておけば復活できるのをこれまでも実証済みなので心配ありません。
復旧できない例も報告されています。互換インクはご自身の責任と判断のもとでご使用ください
それが、ここ数年のプリンター市場は大容量インクタンクモデルが主流になってきました。
転換のきっかけとなった事例のひとつが、印刷サービス会社Bellevue Fine Art Reproductionオーナーのスコット・ムーア 氏がEPSON Stylus Pro 9900のインク残量について検証したこの動画。
インク残量なしと表示されたカートリッジのなかには20%近くもインクが残っている個体もありますネ。
ちなみに消費するインク容量の測定は、モノクロ印刷「ISO/IEC 19752」、カラー印刷「ISO/IEC 19798」とISOで世界的に測定方法が定められています。
HPも昨年始め、この商法からの撤退を公式に宣言しました。
@kifleswing
HP is moving away from the “razor/blade” model for printers because 20% of their customers don’t print enough or buy enough ink to be profitable, according to Morgan Stanley analysts in a note today
2:23 AM Jan 10 2020モルガン・スタンレーのアナリストが本日出したメモによると、顧客の20%は充分に印刷していない、もしくは利益を出すのに充分なインクを購入していないため、HPはプリンターの「カミソリ刃モデル」から撤退するようです。
2020年1月10日 午前2:23
キャノンのピクサスシリーズはLINEのトーク画面から送信してプリントできるうえ、いまでは音声AIアシスタント『Googleアシスタント』にも対応しています。
と、このように進化しているプリンターですが、型落ちレガシーデバイスを使い続けるかつ純正インクは高いんじゃーっ!!とボクのようにケチくさいユーザーのみなさまにおかれましては、インク詰替えもしくは互換カートリッジでのご使用をオススメいたします。
僭越ながらTipsをひとつ。
インク詰替え時に頻出する残量検知は無効操作をすればOK。
※キャノンプリンターの場合
出典:楽天
操作はとても簡単で、プリンター本体のストップボタンを5秒以上長押せば表示が消え、再度印刷可能になります。
出典:詰め替えインクのエコッテ
ぜひお試しあれ。
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