高校生を対象にしたオーディションの審査員をさせていただきました。
70人ほどの学生が、歌とダンスそれぞれの部門で自己PRとパフォーマンス、その後はブースに分かれて面談という流れです。
持ち時間は90秒。
カップラーメンさえ作ることのできない僅かな時間をどう有効に使うか、取り組み方そのものが問われる残酷で非情なシステム。
そんな中でも印象的なアピールをした素晴らしい例を3つのグループに分けて紹介したいと思います。
【①実績がある場合】
・全国大会○○位
・世界大会出場
・コンテストファイナリスト
など
厳密には個人の能力だけではなく、チームやグループ、所属する団体の政治力によるところもありますが、数字として残っている以上、分かりやすくアピールできるのがメリット。
持ち時間が短い場合は極めて有効です。
【②披露できる特技がある場合】
道具を使わずに披露できる持ちネタや一発芸があるのも強いです。
今回の例だと
・身体の柔軟性を活かしたブリッジ
・バク転バク宙
・ヌンチャク
仮面ライダー俳優希望のヌンチャク少年は、半裸で側転→ヌンチャク→チェッカーズ歌唱と情報量多めの高密度な90秒。
近くの席だったソニーやポニーキャニオンのA&Rさんたちと笑いをこらえつつ拝見させていただきました。
【③とくに何もない場合】
今回いちばんお伝えしたいポイントはここです。
99%が「負けず嫌いで」「根性あります」「粘り強いです」みたいなテンプレ通りのPR。
たぶん直前になって親か担任に泣きつき、なんとか入れてきたのが丸わかりです。
でもね、長時間にわたって何十人も出てくると、さっきの粘り強いのと何が違うの?部活やってたコだっけか?と情報が混乱しがちです。
1次審査が全員終わるまで休憩もないし。
年に数度しか着ないスーツなのもなんだかすわりが悪いし、チョコに生クリームどばどばかけて浴びるように糖分とカフェイン摂りたくなってきてるので、全員メモは取っているものの…。
ところが!
そんな中で素晴らしい発想をもって輝きを放ったコがいました!
彼女はダンサー志望の高校1年生なのですが、毎日学校に通うことをこう表現したのです。
私は学校も仕事としてとらえています。
無遅刻無欠席なのは当然として、各授業の課題も発注された案件として期日までにすべて仕上げて提出しています。
強い意志を内に秘め、凛とした表情ではっきりそう述べた16歳の少女が眩しすぎて直視できませんでした。
オーディション企業側にはよく見知った事務所やイベンターも数多く混ざっていましたが、みな一様に疲労を隠せず、なんなら船を漕ぎ出している担当者もいましたが、彼女の言葉を聞いた瞬間、天の岩戸が開いたが如く、みな刮目し同時に己の醜さを感じたに違いません。
そう、かくいうワタクシも高校時代は欠席日数が多すぎて(もちろん健康状態はバッチリ)、卒業式に卒業証書を渡してもらえず、似た境遇の者たちと3/31まで学校の掃除やら雑用をやらされた人間です。
課題などペナルティのペナルティを何度も受け、そして未提出を繰り返し・・・
こんな人間が生意気いって本当に申し訳ありません!
冒頭からエラソーに書いてみたものの、なにひとついばれる要素なんてなかったのに…。
性善説はやっぱりムリありますね。
すぐ自分のことを棚に上げて、あーだこーだと勝手なことばっかり言っちゃう。
唯一、救いがあるとすれば、まいこせんせい(同じ事務所のMaiko Asai)にこの話しをしたところ、「夏休みの宿題を9/1に出したこと一度もないよ」とまっすぐな瞳で語ったことです。
みなさん、課題やレポートは期日を守りましょうねー