のメイキングがYouTubeに公開されています。
「サイレントヒル」のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください
基がなんであれそれを脚色するときは、一度すべて分解して新しいものを作ります。
何より大切なのは原作の精神に忠実であることです。
それを忘れたら必ず失敗しますね。
脚本:ロジャー・エイヴァリー
デッドバイデイライトとのコラボも盛り上がってるようですが、75分に及ぶメイキングからは改めて原作へのリスペクトに満ちた素晴らしい作品だと再確認できます。
カナダのブラントフォードに106ものセットを造り撮影された本作。
8週間かけて崖を造り、道路にアスファルトまで敷いてサイレントヒルの街を再現する熱の入れよう。
ヒロインであるローズ(ラダ・ミッチェル)の衣装もストーリとともにこげ茶から灰色に。最後は血のような赤錆色へと変化しています。
最初から最後までローズは同じ服装だけど、実際には棚3つ分の衣装を着てるの。
同じ服装だけど、100近い組み合わせがある。
気づかないぐらい少しずつ色を変えていったの
衣装デザイン:ウェンディ・パートリッジ
映画本編は陰鬱で凄惨で切なすぎるエンディングを迎えますが、メイキングを観るにキャスト・スタッフとも和気あいあいとした笑顔の絶えない素敵な現場であったことを伺い知ることができます。
有能すぎる美術&セット
30年前に見捨てられ、今も炭坑の火がくすぶり続けるサイレントヒル(←映画の話デス)。
「現在」「30年前」「霧に包まれた世界」「闇に包まれた血と錆びの世界」と4つの次元で展開するストーリーを表現するため、現地の学校や病院を改装し撮影がすすめられました。
トロントからも遠くないし、店や大通りもあるし、(中略)修理工事をしている店が多く、道路のあちこちが通行止になっていました。
建物の外観に手を加えて30年間放置された街を造ったのです。
プロダクト・デザイン:キャロル・スピアー
ラダ・ミッチェルとローリー・ホールデンのキュートな主役コンビ
出典:メイキング映画 サイレントヒル Making Of SILENT HILL The Movie
ワイヤーアクションに役者のテンション激アガりで、本編では行いのヒドさからギッタギタに殺されろっと思わずにいられなかったクリスタベラ(演じてるのはアリス・クリーグ)が無邪気に宙を舞うほほえましい様子。
出典:メイキング映画 サイレントヒル Making Of SILENT HILL The Movie
極力CGを使わずあの美しくも恐ろしい街を実際に作ったり、クリーチャーのほとんどは役者が演じるなど凄まじいほどの作品に対する愛情を感じざるをえません。
アレッサの父親は?
出典:IMdb
ジョデル=フェルランド演ずるアレッサは父親が不明でダリアの処女受胎で産まれたとするレビューが数多くあったなか、コリンにレイプされて産まれたと考察される方もいました。
アレッサが通う小学校の清掃員コリン。
そのコリンが生前の姿をとどめつつ変化させられたクリーチャーがジャニター。
出典:IMdb
エビ反りの下半身、有刺鉄線が刺さった目からは血が吹き出し、触れたものは一瞬で腐敗するという禍々しくおぞましいクリーチャー。
劇中の回想シーンでアレッサがコリンにレイプされたことを仄めかすシーケンスがあり、触られたところが穢れていくように感じたアレッサの憎悪があの酷たらしい姿に反映されているとしたら、十分に納得できましょう。
そーいえばクローンの世界でもヒトは遺伝子の情報量が多いため、単性生殖不可ってのが通説ですもんネ。
教義に従うことが絶対とされた厳格なカトリック寄りの宗派であれば婚前交渉などNGなワケで・・・。
あくまで可能性のひとつですが。
みんな大好きレッドピラミッド
出典:IMdb
・三角形の張型
・長い得物
・デカイ
・半裸で筋骨隆々
備えている特徴は心理学で男性器の象徴だとか。
一緒に現れる多数のクリーピー(ゴ○○リにそっくり)も、虫の夢 = 妊娠の象徴 / G = 解決できない問題を表しているとのこと(「夢診断」by フロイト)。
ジャニター、レッドピラミッドともに演じているのは全クリーチャーの演技指導をしたロベルト・カンパネラ。
ジャニターはどのアングルから撮っても体が折れ曲がったよう見せるため、蛍光グリーンのパンツを穿いてポスプロ(=撮影後の編集作業)でカットしたそうです。
崇高な美しささえ感じるバブルヘッドナース。エレガント!!
呪われた人間たちの心の叫びを表しています。(中略)演出家として役者の選考にも立ち会いました。
(アームレスを演じたマイケルは)衣装をつけなくても十分に異様でした。
クリーチャーの演技指導:ロベルト・カンパネラ
本当になんて愛に満ち溢れた映画なのでしょう。
監督のクリストフ・ガンズですが、次は国産ホラーゲームの傑作「零」を映画化するなんて話も出ています。
参考
ゲーム『零 zero』、『サイレントヒル』監督で映画化か 『サイレントヒル』新作もクランクイン!!
零といえば、日本特有のジメっとまとわりつく怖さが特徴の傑作ホラー。
2012年公開「サイレントヒル: リベレーション3D」の監督を打診された際も
作らなければいけなかったが、プロデューサーの「バイオハザード」のようなものにしたいという意向に同意できず、表現媒体が異なる芸術作品を傷つけることはできないと考え、監督することを辞退した
監督:クリストフ・ガンズ
という誠実な姿勢で作品に向かうことでも有名なので、原作へのリスペクトに満ちた素晴らしい作品になるのは間違いないと思います。
ボクも初代「零 zero」から「月蝕の仮面」まではやりました。
お化けが美しすぎてヒロインの座を食うこともお約束ですが、細部にまで手を抜かないこだわり抜い抜いた美術と、操作性の悪さも相まって背筋がゾクっとする嫌な怖さを堪能できる傑作ですね。
霊石ラジオとかお化けからの通話をヘッドフォンで聞いた日にゃ電話するのがトラウマになりかねません。
ぜひ暑い時期に観られることを楽しみにしたいと思います。
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