スモーブローを作ろうとした話

デンマーク料理にスモーブローというのがあります。

出典:Anastacia Dvi


バターやクリームチーズを塗ったライ麦パンにスモークサーモンなどを乗せる、オープンサンド風メニューの総称です。

コーヒーをエスプレッソぽいのに替えたところ、コーヒーへの依存度が更に高まり、完全なるカフェイン中毒といっても過言ではなくなってしまったので、どうせなら素晴らしいマリアージュを考えよう!とダメ人間にありがちな安易な発想になりました。

ちょうど妹が来るというので、ネコの手も借りることにしました。
先のしまなみで出発早々にノラネコと遊んで時間を溶かしたあの妹です。
ちなみにネコの手は比喩で、ノラネコは実在のやつです。

ちょうどその日は甥っ子(小4)とその友人が10人ほど来ていて、飛び散る花粉も気にせず庭を走り回っているかと思えば、家の内外でスクリーモ大会。

妹は猟奇的でないドラマと遠慮のない子供を激しく拒絶する癖があるので、現状を知られぬよう、なるべくそのことに触れずスモーブローのレシピなどで気を逸しました。

買い物に行って改めて気づいたのですが、スーパーには日本に住む人にとって最大公約数の品が置かれています。
デンマークの郷土料理には特化してないのです!
そこで、材料の変更を余儀なくされました。

ライ麦パン → ふつうの食パン
スモークサーモン → 生ハム+ツナ缶
サワークリーム → からし+マヨネーズ+クリームチーズ
アンチョビ → レリッシュ

本家とはまったく違ってしまったものの、この材料からでも美味しくなりそうな予感がしていました。
少なくともコーヒーに合わせるには問題ないだろうと。

結論から言います

ツナ缶強すぎ!

シーチキンというのは「sea+chiken」の造語だそうですが、淡白と見せかけてすべて持ってくほどのパワーがありました。
そして、生ハムは消えます…

ハモン・セラーノ(お高い生ハム)なら違った結果になったかもしれませんが、そこらのスーパーに売ってるやつでは、ツナ+ピクルス+クリームチーズ相手に明らかに力不足。
分かりやすく例えるなら、νガンダムのIフィールドに向かってヤクトドーガのビームガトリングを必死で撃っているようなものなのです。

まぁツナサンドとしてはそこそこ美味しく作れたと思うのですが、妹が最後まで諦めずに改良を加え続け、結果やっぱりツナサンドになったのを横目に、ボクは大量の唐揚げを作ってビール片手に楽しんでおりました。

つまり、休日にスモーブロー的なものを作ろうとしても、唐揚げが出来上がる、というお話しです。